最近、ホルモン補充療法(HRT)という言葉をよく見聞されると思います。これは文字通り女性ホルモンを補充することによって閉経期に女性ホルモンが激減して起こる更年期障害の諸症状の改善と将来起こり得る骨粗鬆症や高脂血症等を予防するためのものです。
このHRTは我が国では未だ3%程度の普及率ですが欧米では30%と約10倍も施行されています。ただ誰でも使用できるのではなく、血中ホルモン量を測定して基準値以上の人、子宮がん、乳がん、又肝臓病、血栓症等の人は使用出来ません。
よくHRTと性器がんの関係が心配されますが子宮頸がんとは関係なく、体がんにはむしろ5分の1に減少させるとさえ言われています。乳がんに関しては未だはっきりしたデータは出ていませんが、5年以内の使用では影響がないとされています。ただ、がん検診が必須の条件であることに変わりはありません。
ホルモン剤は従来からの内服薬と最近開発された皮膚から吸収させる貼付薬とがあります。使用期間は更年期症状に対しては1〜2年、生活習慣病(高脂血症、動脈硬化など)や骨粗鬆症の予防には必要に応じて長期投与します。このHRTは運動療法とともに中高年のQOL(生活の質)向上に一役を担うものと考えます。