スポーツ医学健康法

中年のうつ病

 ストレス病ともよばれる中年のうつ病の増加が指摘されて久しい。

 中年は、職場では中間管理職として複雑な対人関係や、仕事のストレスにさらされ、家庭では夫婦関係や子供の教育に伴うストレスにさらされている。このようなストレスは、何事につけても真面目で、責任感が強く、熱心で、几帳面な性格の人ほど真正面から受けることになる。その結果、疲労困憊してしまう。それがうつ病である。最近の不景気、リストラの嵐などで、我が国では自殺者が急増している。その多くは男性で、そのストレスの過酷さが伺われるが、本来、生命に対する耐性というか、生きる力は女性の方が勝っていると思われる。それは分娩、育児、母性といった危機的状況を越える力というものを備えているからだと考えられる。

 一方、中年女性には、更年期という厄介な宿命が存在する。これは卵巣機能の低下による心身に亘るアンバランス状態で自律神経の失調を来し、多種な不定愁訴で多くの女性を悩ます。しかし、男性に於ける自殺に至るような深刻なうつ状態におちいるような事例は稀である。

 女性の更年期うつ状態またはうつ病は最近、ホルモン補充療法が劇的な効果をもたらす場合があり、また脳内の神経伝達物質(例えばセロトニン等)が重要な役割を果たしていることがわかって来て、新しい抗うつ剤が積極的に使用されるようになった。

 ともあれ、ローマ時代よりの格言「健全なる精神は健全な身体に宿る」は現在も生きていて、常々スポーツ活動などに参加して体をきたえておくべきである。