スポーツ医学健康法

年齢に応じた指導

 胎教といわれる如く、ヒトは胎内にいる間から、母親の話し声、歌声などを聴いて育ちます。生まれてからは、2〜3ヶ月で対象を認識して微笑むようになり、頸がすわり、6ヶ月でお座りが、1歳頃にはよちよち歩きを始めます。その後2〜3歳で自我が芽生え、5〜6歳になると大脳連合野が発達して共同生活が可能となり、就学します。この時期には、神経系の発達に合わせて色々な動作に挑戦し、スマートな身のこなしを取得するのに適しています。すなわち、競技としてではなく、遊びとしての運動を行わせるのがよいでしょう。

 全身持久力(ねばり強さ)には呼吸循環系が重要ですが、心臓や肺の重量は身長や体重の増加と同様に幼児期と思春期に急増します。肺機能の指標である最大酸素摂取量は、小学校高学年から中学校時代に最も発達します。この時期に合わせて持久性トレーニングをすると、最大酸素摂取量を高めることができます。すなわち、軽い負荷で持続的な運動を実践し、スマートな動作を長続きさせる能力を身につけさせるのがよいでしょう。

 さて、成人の骨格筋重量は体重の45%ですが、思春期を過ぎると急速に増加し、15歳では33%、16歳では44%となります。従って、筋肉の発育の著しい14〜18歳の時期に合わせて筋力トレーニングを始めるのが良いでしょう。すなわち、負荷を増大させスマートな動作を長続きさせるとともに、力強さを身に付けさせるべきです。

 このような年齢に応じたスポーツ指導は、種々のスポーツ障害の予防につながります。若い時期にスポーツで培った体力を維持し、生活習慣病を吹き飛ばしたいものです。