スポーツ医学健康法

更年期障害の療法

 ご存じの如く、女性の更年期障害や骨粗鬆症に対するホルモン補充療法は極めて有用としてさかんにすすめられて来ましたが、米国における大規模臨床試験の報告以降その功罪が議論されています。医療現場でもかなりの混乱が生じています。
 女性ホルモン剤の長期投与で乳がんや心筋梗塞の発症率が増えたとの報告があったからです。ただ、報告をそのまま日本人女性にあてはめることは出来ません。米国での臨床試験を受けた女性の7割は肥満で、平均63歳と高齢の上、半数に喫煙経験がある。一方、日本で治療を受けている女性は主に閉経前後で肥満や喫煙者も少ないと言う事実があるからです。しかし、この欧米の報告は日本のホルモン補充療法に対する考え方に大きな影響を与えています。
 しかしながら、更年期障害、骨粗鬆症に対する療法としては第一選択として考えるべきもので、適応、用量、使用期間等を誤らなければ依然として重要な療法だと考えます。
 更年期障害における種々の愁訴は日々の生活の中でスポーツ活動や地域の行事に積極的に参加して身体的、精神的解放を心がけて克服して下さい。時には軽い安定剤や漢方薬の助けを借りてもいいと思います。
 そして、ホルモン補充が必要な場合は、出来る限り低容量で短期間の使用が望ましく、また、定期的な子宮がん、乳がんの検査が不可欠です。