|
スポーツ医学健康法
|
|
老年期痴呆 適度の運動が老化防止のために有効であることは、皆さん周知のことでしょう。スポーツ習慣のある人はない人に比べ高い生存率を示し、自立して生活する能力も高いと言われています。実際にオランダの大規模調査では、週に少なくとも3回以上散歩またはサイクリングを20分間行うことにより、心疾患による死亡率が約3割減少したとのことです。このように、適度の運動が動脈硬化性疾患の予防に役立つことは疑う余地もありませんが、最近になって老年期痴呆の予防にも役立つことが分かってきました。老年期痴呆、特にアルツハイマー型痴呆は、老化による単なる物忘れと違って、記憶の障害や失語・失認・実行機能障害などの認知障害がおこり、社会生活に支障をきたす状態です。ただし、自立して生活する能力が残されている軽度の状態から、日常生活動作(ADL)が障害され絶えず見守りが必要な重度の状態まで重症度はまちまちです。このような老年期痴呆に対する運動の予防効果について、65歳以上の認知機能が正常な人を対象に行われた5年間の追跡調査では、週3回以上歩行より強い程度の運動をする人は、ほとんど運動しない人に比べ、軽度認知障害、アルツハイマー型痴呆ともその発症頻度が半分以下だったとのことです。定期的な適度の強さの運動には、アルツハイマー型痴呆の発症を抑制する効果があると考えられ、興味深い結果であると思われます。 |
|