|
スポーツ医学健康法
|
|
頸や腕の痛み 頚(クビ)の痛み、あるいは肩甲部から上肢の痛みで来院する患者さんは腰や膝の痛みと並んで、非常に多くいます。頚椎や腰椎は直立二足歩行を行う人類にとって生体力学的に過度の前弯(前にカーブすること)が強制され、宿命的に弱い部分になりました。起立時に約5キロ・グラムの頭の重さを支え、骨格的にも弱い頚椎はその周囲の筋肉にも負担をかけ、両方の腕をぶら下げていることと重なり、肩凝りの原因ともなります。肩凝りは僧帽筋という筋肉の過度の緊張状態を言いますが、放置すると筋肉内の血流も悪くなり、さらに緊張状態を増すことになります。中年以降の上肢の疼痛や、しびれ感を訴えるものにX線検査をすると、頚椎の変性変化の所見が多くみられます。頚椎の変化は神経根(末梢神経の根もと)を圧迫し、手のしびれや、腕の痛みをきたすのです。 発症は頚を後ろにそらすことからがほとんどで、美容院の洗髪、電車通勤中の居眠り、歯医者さんでの治療姿勢などがきっかけとなることがあります。先日、昼のテレビ番組で奨励していた頚の運動を実践したところ、上肢のしびれをきたしてしまったということで来院された患者さんがいました。この様に解剖学的、力学的に弱い頚椎への過度の運動は、症状の発現、悪化を招く事になります。むち打ち症が治りにくいのもそのためです。頚は弱いものであるということをよく考え、気をつけて行動しましょう。 |
|