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肺がん検診について(一問一答)
1か月前から、せきが続くため肺がんが心配になったA男は姫路市内の病院を訪れました

A男
 1か月前から、せき が続くため肺がんが心配になったA男は姫路市内の病院を訪れました。
A男 せきが1か月も続いているので、同僚から「肺がんで死ぬぞ」とおどかされました。肺がんは治らないのですか?
答え
 肺がんは早いうちにわかれば治ります。肺がんは病気がどのくらい拡がっているかによってIA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IV期と7つに区分されます。この病院での治療成績を図にしますと、もっとも軽いIA期では9割の患者さんが治っておられます(5年間生存されたら、がんは治ったと考えます)。
IA期

でもIV期では残念ながら治る方は逆に少数です。
IV期
A男
そうすると、早い時期に肺がんをみつけるにはどうしたらいいのですか?
答え
では、肺がんの患者さんが、最初に病院を受診されたきっかけを図でみてみましょう。
図をみてもらうと、肺がんの早い時期(IA期)に病院を受診された方の過半数は検診で異常を指摘されたことがきっかけで 肺がん がみつかったことがわかります。ほかの病気で病院に通院中にたまたまレントゲンで異常がみつかった患者さんも多いですね。症状があって病院へ来られた方も2割ほどありますが、その症状は、一時的な せき や たん がほとんどで、たまたま風邪をひいた程度の症状ですので、肺がんそのものの症状とは考えられないケ-スが大多数です。
IA期

いっぽう、下の図はすでに進行した状態で病院を訪れた患者さんです。ほとんどの方が肺がんの症状があったので受診されています。ただ、検診で異常を指摘されで受診された方の中にもすでに進行した肺がんの方もおられます。残念なことですが検診をうけていても100%の方が早い時期でみつかるのではありません。

IV期

でも上と下の図を比べたら、検診が大切だということは明らかですね。

A男
肺がんは たばこ を吸う人におこると聞いたことがありますが、家内は たばこ を吸わないから肺がんは関係ないですか?
答え

いいえ。この病院での肺がん患者さんに今までの喫煙量を聞いてみました。
たばこの量をはかるために喫煙指数というものさしがあります。

たとえば1日に30本を20才から50才まで吸った人の喫煙指数は

 

喫煙指数=1日喫煙本数×喫煙期間(年)
=30×(50-20)=900

となります。

下の図はこの病院の肺がん患者さんの数を喫煙指数別にみたものです。

肺がん患者さんは、喫煙指数が600を越えている人が多いことがわかります。いっぽう、まったくたばこを吸ったことがない人も肺がん患者さんの2割を占めています。だから、たばこを吸わない人も安心できません。

A男
うちの家系には、がん の人は一人もいないから がん とは縁がないのではないですか?
答え

この病院の肺がん患者さんに、家系内に がん の患者さんがあるかどうかたずねてみました。
同時に、肺がん患者さんと同じくたくさんたばこを吸うことからおこる肺気腫という病気の患者さんに同じことをたずねてくらべてみました、

 たしかに、肺がん患者さんの家系には肺気腫の患者さんの家系に比べ、がん の人が多いとの結果でした。でも、図からわかるように、肺がん患者さんの7割の方は家系に がん の方がおられません。だから、家系 にがん がないから安心、というのもまったく当てになりません。

A男
つまり、だれでも肺がん検診を受けておく必要があるのですね。
答え

その通りです。病院の肺がん患者さんの年齢別症例数を下に示します。

肺がんは、70才前後の男性が多いことがわかります。

肺がん検診はどなたも受けておく必要があるのですが、とくに60才台、70才台の男性で喫煙される方は必ずうけていただきたいのです。

A男
近所の人が肺がん検診を受けたら、精密検査が必要、という通知があって、あわてて近所の病院で診てもらったら肺がんはないといわれたそうです。どうなっているのですか?
答え

検診で撮られたレントゲンは、おひとり、おひとりのフイルムを二人の専門医が別々に診断し、さらに以前に検診を受けていただいていた場合、過去のフイルムと比較して検討しています。いっぽう、早期肺がんのレントゲン所見は、ほんのわずかな「傷」としてみえるだけなので、検診の担当者は、早期の肺がんをみつけるため、わずかな変化も見逃のがさないよう努力すると、どうしても「疑わしきは罰する」という方向に傾きます。また、たんの検査も無数の細胞の中から肺がん細胞がないか顕微鏡で調べる地道な仕事をしています。時に、がん細胞と断定できないが「あやしい細胞」がみつかることがあります。このような事情から、結果的には何ともない方に精密検査が必要との通知が送られることになるのです。A男さんのご近所の方のように、不必要なご心配をできるだけお掛けしないよう、しかも肺がんのわずかなサインも見逃さないよう検診担当者は日々努力していますので、ご理解下さい。


A男
さて、ところで私は せき が出るのですが肺がんはないでしょうね?
答え

では、さっそく診察してみましょう・・・


 
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