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卒業生の声
折しも東日本大震災直後に就職した3人の新人看護師。「命」や「看護」の概念にも大きく揺さぶった未曾有の災害と看護について尋ねました。
   
教務主任
卒業生が活き活きとしている姿はとても嬉しい気持ち。みんな卒業して間もないけど、仕事はどう?
大  成 先輩の判断と行動の速さには驚かされる毎日。私はまだわからないことも多く、焦っちゃいますね。
永  本 学生時代と大きな違いは、複数の患者様を担当するようになったこと。思い描く「優先順位」と実現の違いに戸惑いも多いです。
本  田 私も同感!優先順位を決めるのは本当に大変です。
教務主任 そうね。一朝一夕にできるものじゃないわね。でもすごく良い経験をされているようですね。この度の卒業生は「東日本大震災」直後だったものだから心配していたの。
みんなにとっては大変なタイミングの医療現場だと思うけど、災害看護を考えるきっかけにはなったわね。勤務先でも震災現場に赴かれた方はいるでしょ?
   

 
大  成

患者様のカルテが残っていない被災地では、継続看護(※1)に困難を極めていると派遣された先輩から伺いました。また急性期(※2)から慢性期(※3)に移るにあたり、"心のケア"も見逃せない中、全てに対応できないジレンマもあるようです。
もし今地元で災害が起きても今の知識と経験じゃ役に立てないと実感してます。今年1年は新人として「何でも質問できる」と思い、まずは目の前のことに集中していきたいと思います。

本  田 先生も看護師もみな被災者の方同様、段ボールの上で寝て過ごしたそうです。また、被災地に持参した食料も、「被災者の方が食べられないのに、自分たちだけが食べるわけにはいかない」と被災者に提供されたそうです。今は研修中の身ですが、1日も早く患者様に応えられる知識と技術を身につけたいと痛感しています。
永  本 私も、派遣された方から、厳しくハードなトリアージ(※4)の現場だと伺いました。被災地から避難されて来院される患者様も増える中、処置だけでなく"心のケア"のできる看護師になりたいと考えています。
教務主任 そうね。「人格の尊厳」とは言いますが、私も今回ほど「人の命の儚さ」について考えさせられたこともありませんでした。みんな、良い経験をしているようですね。それに素晴らしい医師と尊敬できる先輩方に恵まれているようでホッとしました。これからも「患者様の心に寄り添う」ことを忘れずに頑張ってね。今はまだ現場に慣れることに必死だと思うけど、それぞれに将来の目標はできた?よかったら教えてくれる?
大  成 今はわからないことばかりですけど、将来は臨床指導者(※5)になりたいと思っています。そのためにも毎日が訓練だと思って勉強しています。
教務主任

嬉しいこと言ってくれるわね。こちら側に興味を持ってくれるのは、私たちも"やりがい"を感じますね。永本さんはどう?

永  本 今の立場で言うのは恐縮なんですが、認定看護師(※6)を目指したいです。昔から病気がちだった私は、本当に看護師さんたちのお世話になりました。今度は私が看護をする側。もちろん心の折れそうな時もあるけれど、"やりがい"のあるこの仕事だから頑張れると思っています。
本  田 私も言うのは恥ずかしいんですけど・・・、助産師(※7)になりたいと思ってます。今の病棟でたくさんのお母さん方や、赤ちゃんの誕生に触れ、そう考えるようになりました。昔、祖母の急変時に無力だった自分を変えたいと目指した看護師ですが、今の職場の経験を活かし「命の誕生」に携わる仕事ができたらと思います。
   

 
教務主任 誰だって最初は新人なんだから恥ずかしがることはないですよ。どんどん口にすると良いと思います。じゃあ、これから看護師を目指す学生さんたちへのメッセージをお願いできる?
大  成 自己主張の苦手だった私ですが、授業や実習、またグループワークやスポーツ大会などのイベントを重ねていくうち、"自らの意見が言える積極的な自分"に変わっていきました。感謝に満ちた誇りある仕事です。ぜひ頑張って欲しいと思います。
永  本 まだ卒業して1ヶ月強ですけど、みんなとは連絡とっています。同じ目標に向かっていくここでの仲間との絆は本当に強いもの。くじけそうなときも仲間に支えられます。勇気を出して挑戦してください。
本  田 自分は自分の考え、他人には他人の考え方があるんだと他の人の意見を受け入れ、そして共有できるようになりました。これがチームワークなんだなと教わりました。ここの先生方は、必ずみなさんを一人前の看護師に導いてくれます。だから安心して飛び込んできてください!
教務主任 日増しに逞しくなる姿に私たちも安心しました。でも何かあったらいつでも相談にいらっしゃいね。みんな、今日は忙しい中ありがとう。
 
  
  
※1)継続看護 病院や家庭での看護を中断せず、継続することをいいます。そのために、看護職間での緊密な連絡や連携が重要なポイントになります。
※2)急性期 病気のなり始め、つまり症状の比較的激しい時期を言います。
※3)慢性期 病気の急性期を経て、症状が安定している時期をいいます。
※4)トリアージ 人材・資源の制約の著しい災害医療において、最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること。
※5)臨床指導者 看護学校と連携しカリキュラムに沿って目的や目標を明確に学習や実習を円滑に進める看護師です。
※6)認定看護師 日本看護協会の認定看護師認定審査に合格し、ある特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を有し、また看護師に対する指導・相談活動を行います。
※7)助産師 厚生労働大臣の免許を受けて助産または妊婦もしくは新生児の保健指導を行います。
 

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