最近の質問から婦人科検診乳房検診前立腺循環器疾患肥満子宮頸癌検診肥満2メタボリックシンドローム |

−最近の質問から−

Q1 人間ドックを医師会で受けるメリットは
Q2 健診を受けたときのみ血圧が高く、異常を指摘されるのですが?
Q3 毎回、尿潜血が陽性を指摘されるが、再検・精検を受けても異常なしといわれるのですが?
Q4 血液検査でいつも白血球が多い(少ない)といわれるのですが?
Q5 アルコールを飲まないのにγ―GTPがいつも高いと言われるのですが?
Q6 心電図で右脚ブロックを指摘されたのですが?
Q7 前立腺がん検査の前立腺特異抗原(PSA)とはどのような検査ですか?
Q8 肺がんが心配で検査を受けたいのですが?
Q9 コレステロールとはどのようなもの?
Q10 コレステロール値が高いとなぜよくないのでしょう?
Q11 コレステロールの食事療法ではどういう注意が必要ですか?
Q12 善玉コレステロール、悪玉コレステロールって?
Q13 女性とコレステロールについて関係ありますか?
Q14 血液中のコレステロールを低下させる食事のポイントは?
Q15 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、どのような病気ですか?
Q16 どのような症状があれば、SASの可能性がありますか?
Q17 SASは、どのようないびきをかきますか?
Q18 SASの、診断はどのようにするのですか?
Q19 SASはどのように治療するのですか?
Q20 腎臓の働きは?
Q21 腎機能検査とは?
Q22 腎機能検査で異常を指摘されたのですが?


― 婦人科がんの現況と今後の検診のあり方について ―

Q23 婦人科のがん検診ではどういうことが判りますか?
Q24 頸がん検査はどのような方法でするのですか?
Q25 体がんについて教えてください。
Q26 卵巣がんは、どのような病気ですか?
Q27 早期発見のためには、どのようなことに注意したらいいですか?


― 女性疾患シリーズ 乳房検診について ―

Q28 乳がんの症状は?
Q29 乳腺症と言われたが・・・乳がんになりやすいの?
Q30 検診とマンモグラフィ
Q31 自己検診について


― 前立腺がんと血中PSA(前立腺特異抗原)―

Q32 前立腺がんについて教えてください。
Q33 前立腺がんの検査には、どのような方法がありますか?
Q34 血中PSA(前立腺特異抗原)について詳しく教えてください。
Q35 前立腺肥大と前立腺がんは関係がありますか?
Q36 高血圧とは?
Q37 高血圧の治療は何故必要なのでしょう?
Q38 高血圧の治療は?


― 循環器疾患について その1―

Q39 心電図の結果に心房細動と書いてありますがどんな異常ですか?
Q40 どんな症状がありますか?
Q41 精密検査が必要と言われました。どんな検査が有りますか?
Q42 どんな治療法がありますか?


―肥満について―

Q43 どうして肥満がおこるのですか?
Q44 食事療法とはどうすることですか?
Q45 肥満が治る薬があるのですか?
Q46 肥満細胞というのは、いつつくられるのですか?
Q47 肥満は遺伝するのですか?
Q48 一度太ってしまうと体質的に太りやすくなるのですか?
Q49 食べて痩せる方法はあるのですか?


―子宮頸癌検診と精密検査について―

Q50 子宮癌検診とは?
Q51 子宮頸癌検診とは?
Q52 精密検査とは?
Q53 頸癌への変化と治療は?


―肥満について2―

Q54 りんご型肥満、洋ナシ型肥満とは?
Q55 高齢者の方で食事(エネルギー摂取量)が少ないのに体重が減少せず肥満が目立つ方を見かけますが原因は?
Q56 減量後にリバウンドして元に戻ることと、肥満のままでいる状態とでは、体に対する影響や体脂肪の変化はないのですか?
Q57 超低栄養ダイエット療法(VLCD)とはどんなものですか? 効果はどのくらいあるのですか?
Q58 肥満の外科治療がありますか?


―メタボリックシンドロームについて―

Q59 最近メタボリックシンドロームという言葉を聞きますが、これは何ですか?
Q60 危険因子とはどんなものですか?
Q61 メタボリックシンドロームの診断基準はありますか?
Q62 メタボリックシンドロームをおこさないために、何に気をつければよろしいですか?
Q63 メタボリックシンドロームの治療法はあるのでしょうか?


―ANSWER―

Q1:人間ドックを医師会で受けるとどのようなメリットがあるの?

A:

 元気で働いている私たちがいつどのような病気で、医療機関を受診するかわかりません。また、かかりつけ医のある方も、人間ドックを受けると新たな異常が発見されることもあります。
 当医師会メディカルセンターは、医師会員である診療所や病院の共同利用施設です。現在、新健診システムを構築し、人間ドックについては、データベース管理をしております。
 さらに今後精密検査結果や事業所健診、学校地域検診(住民検診)などのデータも共通のID化で一元管理し、必要な時に受診者のデー タが姫路市内の医療機関に紙面などで情報提供できる体制づくりをしております。受診した医療機関が初診であっても、担当医は過去の健診データを 知ったうえで診療ができ、患者、医療機関ともに大きな安心感に繋がります。
 当医師会メディカルセンターは受診者と医療機関との橋渡しとして役立っております。
(回答者:人間ドック委員会担当理事 山本一郎)

Q2:健診を受けた時のみ血圧が高く、異常を指摘されるのですが?

A:

  皆さんご存知の白衣性高血圧の悩みだと思います。こうしたケースだと再検で医療機関を受診しても異常値になることが多く、どうしてよいのか決め兼ねている方も多いようです。最近では、簡便な家庭血圧計が多く発売されております。白衣性高血圧の方の多くは、家庭でリラックスしている時は正常範囲内の血圧のことが多く、2週間ほど測定を続けてみることをお勧めします。測定時間は、出来るだけ毎日決まった時刻に測定することが大切です。
 高血圧の方は、早朝起床時の血圧が高いことが多く、心臓や脳血管障害との関連も指摘されております。血圧計を枕元に置いておき、起床してすぐに測定しましょう。
 測定結果を産業医やかかりつけ医に持参し相談してみると良いと思います。

(回答者:人間ドック委員会担当理事 山本一郎)

Q3:毎回尿潜血を指摘されるが、再検・精査を受けても異常なしと言われるのですが?

A:

 こうした場合、大きく分けると血尿がない場合と血尿がある場合が考えれます。
 再検時、尿沈渣(尿を遠沈機にかけてその沈殿物を顕微鏡で見る検査)で判断すると、尿には赤血球が出ていない場合があります。これは溶血といって血液中で赤血球が壊れ、その色素が尿に出ていったものです。尿検査は最初、テープを使った検査でその反応から潜血の程度を決めますので、色素でも反応して陽性となってしまいます。これが血尿のない場合です。尿沈渣でも赤血球が出ている場合では、腎炎関連検査や尿細胞診、腹部超音波検査やCTなど、多くの検査を組み合わせて病気の有無をチェックします。
 内科や泌尿器科、時には産婦人科的な病気が原因となっている場合もありますが、異常が発見できない場合もあります。こうした場合、無症候性血尿といって体質的に尿を作っている糸球体の基底膜から赤血球がもれやすい場合や遊走腎といって腎臓の固定が悪いため、体位変換時に血尿につながっている場合があります。再検・精査で異常が指摘されなかった場合でも、腎臓に小さな結石が存在したり、その他の異常が見つかることもありますので、肉眼的血尿(コーラのような色の尿になる)や腹痛などが出現した場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

(回答者:人間ドック委員会担当理事 山本一郎)

Q4:血液検査でいつも白血球が多い(少ない)といわれるのですが?

A:

 白血球は体を細菌やウイルスから守っているものです。外部から細菌やウイルスが体内に侵入すると体を守ろうとして白血球の数は増えていることが多く(ウイルス感染の時は逆に減ることもあります)、人間ドック受診時に感冒などにかかっていると異常値になることもあります。出来るだけ体調の良い時に受診されるのが良いと思います。しかし、体調も悪くないのに毎回異常値を指摘される場合は、体質的に高い(低い)場合も少なくありません。毎回の検査結果をかかりつけ医に持参し、必要な場合は、白血球像(白血球の種類の検査)で異常な白血球や種類に偏りがないか判断して貰うことをお勧めします。健診機関により基準値が異なることもあり、同じ数値でも 異常値を指摘されたり、されなかったりする場合もあります。
 また慢性感染症や免疫の病気(リュウマチや膠原病)や、まれですが白血病なども白血球の異常から発見されることがありますので、そのままにせず一度医療機関で相談されるのが良いと思います。
 

(回答者:人間ドック委員会担当理事 山本一郎)

Q5:アルコールを飲まないのにγ―GTPがいつも高いと言われるのですが?

A:

 γ―GTPは肝臓の細胞の中に含まれる酵素の一つで、他に皆さんご存知のGOT、GPTなどがあります。これらの酵素の数値が高くなったときは肝臓障害が疑われ、その中でγ―GTPはアルコールの摂取量と相関関係が高いため、飲酒量の自己コントロールの目安にもされています。
 飲酒歴のない方でもγ―GTPの高い場合も比較的みられ、体質的に高い場合が多いようです。
 健診機関で多少値は異なりますが、女性の方が男性より基準値の上限が低く、異常値を指摘される場合が多いようです。経年的な変化が少ない軽度の異常値は問題ない場合がほとんどですが、栄養補助食品や市販薬の服用でも高くなる場合がありますので、医療機関で相談されるのが良いと思います。
 

(回答者:人間ドック委員会担当理事 山本一郎)

Q6:心電図で右脚ブロックを指摘されたのですが?

A:

 心臓は洞房結節(生理的ペースメーカー)で発生した電気刺激(興奮)が、心房、房室結節、ヒス束に続き左右の脚という名前の神経のように伝導速度が速い繊維を介して心室全体に伝わり一定のリズムで収縮しています。速度の差を鉄道で例えると、新幹線(右脚1本、左脚2本)で途中まで、後は各駅停車(心室筋)で命令が伝わると考えればよいでしょう。
 右脚ブロックは右の新幹線が遅れたり(不完全右脚ブロック)止まった状態(完全右脚ブロック)で、各駅停車が伝える距離が長いため右心室に刺激が行きわたるには時間がかかる状態です。解剖的には右脚は狭い範囲を1本の束として走るので少しの障害でもブロックになります。左脚は扇状に広がっていて広い範囲の障害で初めてブロックされるので右に比べ重症です。
 右脚ブロックは、ずっと以前から指摘され他に異常がなく元気な場合は心配ありせん。
 初めて指摘された場合や指摘内容が変わった場合は循環器専門医に相談することをお勧めします。
 なお、左脚ブロックは特に症状がなくても経過観察が必要です。

(回答者:姫路市医師会診療所 院長 小西與承)

Q7:前立腺がん検査の前立腺特異抗原(PSA)とはどのような検査ですか?

A:

 前立腺は男性のみにあり、膀胱のすぐ下で尿道を取り囲んでいるクルミ大の器官で、精液の一部を分泌しています。
 前立腺がんは、前立腺肥大症と同じく50才以降から増えてくる病気ですが、進行すると、周囲組織や骨へ転移してきます。前立腺がんは尿道から離れたところに発生することが多く、初期では前立腺肥大症のように尿の勢いや切れが悪かったり、残尿感などの症状もみられません。発見しにくい一方、他のがんに比べて進行が遅く、早期発見、早期治療の効果が十分認められるがんと言えます。
 この症状を呈しにくいがんの特異的な検査といわれるのが、血液検査である前立腺特異抗原(PSA)です。正常値は測定法によって異なりますが、当医師会検査センターではCLEIA法で測定しており、正常値は4.0μg/L以下です。
 PSAが4〜10では10%、10以上では40%の人に前立腺がんが見つかるとされており、高値になるほど可能性が高くなります。正常値以下でも経過をチェックする事は有用です。但し前立腺肥大症、前立腺炎、尿路結石や膀胱腫瘍等でも高値を示すことがあり、泌尿器科受診が必要です。50才を過ぎたら年1回は、特に身内に前立腺がんになった人がいる方は積極的に検査をされることをお勧めします。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員長 藤戸 和孝)

Q8:肺がんが心配で検査を受けたいのですが?

A:

 肺がんのリスク要因としては、やはり喫煙の影響が大きく日本での肺がん相対リスク(非喫煙者に比べた場合の喫煙者の肺がんリスク)は男性で4〜5倍、女性で2〜3倍と報告されています。他にアルコールや脂肪の過剰摂取もリスク要因ですが、一方緑黄色野菜の摂取は抑制因子とされています。途中で禁煙された場合でも、肺がんの発生リスクは減らせます。
 肺がんは早期発見が難しいがんの一つで、症状(咳、痰、胸痛等)が出てきてからは手遅れの場合が多い疾患です。一般の健康診断では、胸部レントゲン検査と喀痰検査が主にされてきましたが、早期発見目的としては十分とは言えませんでした。そこで最近では、胸部のCT(コンピューター断層撮影)を肺がん検診目的に積極的に使用するところが出てきています。CT検診では胸部レントゲンでは見つけられないような<微小肺がん>をみつけることも可能です。CT装置も改良され、精度の向上、検査時間の短縮がされています。
 姫路市医師会でも、新しいCT装置を導入予定です。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員長 藤戸 和孝)

Q9:コレステロールとはどのようなもの?

A:

 コレステロールは体内の脂肪成分の一種です。動脈硬化を促進することから、健康に対して悪影響を及ぼす“悪役”のイメージばかりがクローズアップされがちですが、一方で、コレステロールは、人体の細胞やホルモンの材料になり、食物の消化吸収に必要な胆汁酸の原料になるなど、生命を維持するために欠かせない需要な物質でもあるのです。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 西村 隆夫)

Q10:コレステロール値が高いとなぜよくないのでしょう?

A:

 悪玉コレステロールは高い状態が続くと、体の中のいろいろな動脈に動脈硬化がおこり、しだいに動脈の内側が狭くなって、血栓などで詰まりやすくなります。すると全身の臓器に酸素や栄養分が十分に行き渡らなくなり、細胞に障害が起こって、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な病気を引き起こすことになります。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 西村 隆夫)

Q11:コレステロールの食事療法ではどういう注意が必要ですか?

A:

 入院中は別として、自宅できちんと行うのはなかなか大変なことで、仕事などで忙しくなってくると、ついつい守れないことが多いのです。食事が乱れても直ちに自覚症状が現れることが少ないのです。
そのため注意点として

1 食事療法だけで薬剤の服用がなくても、とにかく定期的に受診して自分の食事療法がうまくいっているかどうか、医師・栄養士の客観的なチェックを受けることが必要です。

2 食事療法は単に食事内容だけでなく、食事回数、食事時間、身体の活動状態など生活状況も含めて考えます。一日2回しか摂らなかった食事を3回きちんと摂るとか、就寝前の多食多飲を減らすことにより、高脂血症が改善することも多いのです。

3 食事療法により必要な栄養素を欠乏させてはなりません。あくまで栄養のバランスを考えて行います。自己流で極端なことをしますと、蛋白質・ビタミン不足を招き、健康にとって逆効果となります。特に、学童期など成長期には栄養不足にならないよう注意します。高齢者では壮年者と同じような厳格な食事制限は必要ありません。

4 食事療法は長期的にわたるものですから、あまり精神的な負担にならないよう無理なく実行してください。自分自身の生活状況・性格などを考え、実行しやすいことから手をつけてみます。食事の注意が生活の一環となり、習慣付けられることが理想的です。

5 食事療法に加え、適度の運動を取り入れます。運動は翌日疲れが残らない程度のものが適当です。運動開始前には、心・血管系の医学的なチェックが必要です。

 以上のような点をふまえて、食事療法がきちんと実行されていれば、1回ごとの血液検査結果にあまり過敏になる必要はありません。最終目標はあくまでも、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞の発病予防ですから、あせらず気長にすることが大切です。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 西村 隆夫)

Q12:善玉コレステロール、悪玉コレステロールって?

A:

 コレステロールは、血液中では蛋白質にくるまれた「リポ蛋白」とい粒子になっています。リポ蛋白には、体の各部にコレステロールを供給する働きを持つものと、からだの各部からコレステロールを回収する働きを持つものがあり、供給するものが多いほど動脈硬化は進行しやすく、逆に、回収するものが多いほど動脈硬化の進行は抑えられることがわかっています。この供給するタイプのリポ蛋白に含まれるコレステロールは悪玉コレステロール(LDLコレステロール)、回収するタイプのリポ蛋白に含まれるコレステロールは善玉コレステロール(HDLコレステロール)と呼ばれ、分けて測定することができます。

 (回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 西村 隆夫)

Q13 :女性とコレステロールについて関係ありますか?

A:

 コレステロールが高い人は、30歳代・40歳代では女性より男性のほうが多いのですが、50歳代になると逆転して、女性の高脂血症が増加します。これには女性ホルモン(エストロゲン)が深く関与しています。女性ホルモンの分泌は20歳代がピークで、50歳前後から急激に減少します。コレステロールが高くなり始める時期は、ちょうどこの時期と重なります。コレステロールは、更年期障害や骨粗しょう症と同じように女性ホルモンと深い関係があります。
 コレステロールが高くても、“痛い”とか“痒い”といった自覚症状はありません。しかし、動脈硬化は気づかないうちに少しずつ進行してしまいます。
 当医師会では、このための検査として眼底検査・頸動脈エコー・脈波伝播速度(動脈硬化度)検査を行っております。自分のコレステロール値をご存知でない方は一度検査を受けてみましょう。
 

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 西村 隆夫)

Q14 :血液中のコレステロールを低下させる食事のポイントは?

A:

1  まず、摂取エネルギーを制限しましょう!
 過食により血中コレステロールが上昇し、肝臓でのコレステロール合成も亢進するためです。

2  次に脂肪の種類に注意しましょう!
 脂肪には、肉類の脂身、バター、ラードなどに多いコレステロールを増やす飽和脂肪酸、イワシ,サバなどの青魚,植物油に多いコレステロールを低下させる作用のある不飽和脂肪酸があります。

3  肉類を摂る時は,脂身の少ない部位を選び、ハム、ソーセージなどの加工製品にも気をつけましょう。
 また、ミンチ肉は,赤身でも油の吸収率が高いので、使う油にも注意しましょう。

4 不飽和脂肪酸の摂取割合を増やしましょう!
 家庭でよく使われる油には、リノール酸が含まれています。このリノール酸には、コレステロールを下げる働きがありますが、HDLコレステロールと呼ばれる善玉コレステロールも下げてしまいます。その反面オリーブ油に含まれるオレイン酸は、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールと呼ばれる悪玉コレステロールのみを下げると言われています。

5 食物繊維の含有量の多い食品を積極的に摂るようにしましょう!
 もう一つ注意したいのは、食物繊維の摂取量を増やすことです。特に果物や海藻に多く含まれる水溶性の食物繊維には、血中のコレステロールを下げる働きがあります。
 いずれにしてもエネルギーの過剰摂取や偏食を避け、適度な運動、バランスのとれた食生活を心がけることが、コレステロールをさげるポイントです。

(回答者:姫路市医師会検診部診療所 栄養士 橋本 佳代)

Q15:睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、どのような病気ですか?

A:

 睡眠中に無呼吸を繰り返す病気で、一晩に10秒以上の無呼吸(呼吸が止まった状態)が30回以上、または、1時間に 5回以上の無呼吸が起こる病気です。

 (回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 林 義和)

Q16:どのような症状があれば、SASの可能性がありますか?

A:

 夜寝ている時に、いびきをいつもかく、家族から時々息が止まっていると言われる、苦しくて目が覚める、夜トイレに何度も起きる、口が渇くなどのうち2項目以上の該当項目があり、昼間にいつも眠い、居眠りする、だるい、疲れる、仕事に集中できないなどの症状があったり、 高血圧なのに薬がよく効かない、心臓の病気がある、肥満や糖尿病がある時、SASの可能性が考えられます。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 林 義和)


Q17:SASは、どのようないびきをかきますか?

A:

 いびきのなかで、「寝入りばなにかくいびき」「疲れたときのいびき」「飲酒後にだけかくいびき」はあまり心配ありませんが、朝までいびきをかいている場合や、急に音が大きくなったいびきは注意が必要です。特に呼吸が止まったあと急に大きく苦しそうにかくいびきがSASに関連している可能性が高いようです。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 林 義和)

Q18:SASの、診断はどのようにするのですか?

A:

 症状等から、SASが疑われたとき、まず自宅に持ち帰って簡易に呼吸状態を検査できる機器があり、呼吸が何秒とまっているか、何回無呼吸が起きているのか、血液中の酸素濃度等が判ります。簡易な方法で1時間当たりの無呼吸回数が、20回以上ある時、ないしは 5回から(当施設では、スクリーニングの立場から 5回以上を採用) 20回未満でも症状の強い場合、1泊して睡眠ポリグラフ検査で脳波等も含めて検査して、より詳しく睡眠の状態を調べて、治療の必要性を診断します。(なお、呼吸低下の場合も基準に含める場合があります。)

 

Q19:SASはどのように治療するのですか?

A:

 SASは多くの場合、主な原因は、空気の通り道である上気道(軟口蓋や舌、扁桃腺など)塞がって呼吸ができなくなった状態です。従って、扁桃腺が大きければ切除する場合もあります。ただ、現在多くの患者さんに用いられるようになってきたものにCPAP(経鼻持続陽圧呼吸療法)という方法があります。これは、鼻にマスクを装着し、圧力をかけた空気を鼻から持続的に上気道に送り込み、上気道を押し広げるという治療方法です。

 

Q20:腎臓の働きは?

A:

 腎臓とは腰背部に左右1個づつある臓器で、尿をつくっている臓器です。血液中の老廃物を尿として体内から除去しますが、一方作り出した尿から、必要なものを再吸収し、また血圧に作用するホルモンや造血作用のあるホルモンを作り出す機能も持っています。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員長 藤戸 和孝)

Q21:腎機能検査とは?

A:

医師会の健診では、尿検査として尿潜血、尿蛋白、尿沈渣、血液検査として尿素窒素(BUN)、クレアチニンの検査項目があり、異常を認めた場合に腎機能障害の可能性があると判定しています。


尿潜血:
 尿中の赤血球の有無(いわゆる血尿)を検査するもので、正常なら(−)ですが、赤血球でなくても反応する事があります。
尿蛋白:
 通常は(−)ですが、健康でも激しい体動後や発熱時(生理的 蛋白尿)、若い人では立位で出現する方(体位性蛋白尿)もあります。
尿沈渣:
 顕微鏡で尿中の有形成分を調べるもので、赤血球や白血球、上皮細胞、結晶、細菌やときには異型細胞を認めることもあり、病気の診断をする上でも有用な検査です。
血中クレアチニン:
 筋肉での代謝産物で、産生と尿中への排泄がほぼ一定であり、腎機能が低下すると上昇してくるので腎機能の目安として使われます。但し、身体の筋肉量と関係しますので、筋肉量が多い人ほど高目になり、やせた人や高齢者では低目です。

血中尿素窒素(BUN):
 蛋白質の代謝産物で腎機能が低下してくると上昇してきますが、蛋白質の取り過ぎなどでも上昇します。
 尿採尿時の注意点として、排尿口周囲の細菌や汚れが尿に混じらないように、採尿開始時の尿は捨て、排尿途中の尿(中間尿)を容器に採るようにしてください。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員長 藤戸 和孝)

Q22:腎機能検査で異常を指摘されたのですが?

A:

 尿検査は、その時々の体調や水分の取り方、尿量等で影響を受ける可能性があり、まず時期を変えて何回か再検査を受けることを勧めます(女性では生理血が混じる場合もあります)。
 明らかに血尿を認める場合には、腎炎や膀胱炎などの内科的疾患もありますが、まず尿路(腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道)の結石や腫瘍の存在の有無を検査されることが必要でしょう。
 蛋白尿は腎炎、ネフローゼなどの内科的な疾患で認められる場合が多く、尿蛋白が多い程、障害が強いと考えられます。特に高血圧を合併している場合は充分な内科的管理が必要です。また、糖尿病や膠原病、血液疾患が基礎にある場合もあります。
 腎疾患で血液中のクレアチニンやBUNが上昇するのは、腎機能障害が進行した状態ですので、早目に医療機関を受診してください。
 尿検査での軽度の異常は、諸検査にても原因不明で、経過観察となる場合があります。特に心配ない場合が多いですが、定期的な健診は受けるようにして下さい。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員長 藤戸 和孝)

Q23:婦人科のがん検診ではどういうことが判りますか?

A:

 一般的には、子宮がんと卵巣がんについて行われています。
 子宮口近くにできる頸がんと子宮の奥の方にできる体がんがあり、できる場所が違うだけでなくいろいろな面で異なったがんです。
 子宮がんのうち頸がんと体がんの発生割合は、30年前には90%が頸がんで10%のみが体がんでした。最近は食事の西洋化などにより乳がんや大腸がんが増加してきたように体がんも急速に増加し、30〜40%を占めるようになってきました。将来は米国のように頸がんより体がんの方が多くなってくる可能性もあります。
 頸がんは20代後半から発見され40〜50才頃にピークとなっています。体がんは以前40才代前後から発見され50才代後半にピークがあり、大部分は50才以後のがんと考えられていました。しかしながら最近の体がんの増加は若年層に目立ち40才代にも多く、ときには30才代で発見されてきています。
 若年層の異常子宮出血はほとんどがホルモンバランスの乱れによる機能性出血ですが、少し頑固な異常出血には早めに体がん検診(内膜細胞診)をする必要性が増してきました。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 副委員長 和田 裕充)


Q24:頸がん検査はどのような方法でするのですか?

A:

 綿棒で子宮口近くの細胞を採り検査する細胞診で簡単に済み不快感も少なく全ての人に行っても問題はありません。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 副委員長 和田 裕充)

Q25:体がんについて教えてください。

A:

 体がん検査は子宮の奥へ検査器具を挿入するため痛みや出血を伴うことが多く、不快感を訴える人が少なくないので全員に行うには困難な面もあります。一方、体がんの特徴として比較的初期から出血を伴うことが多く、最近異常出血を経験した人に対して体がん検診を進めていけば80〜90%は発見されます。又、子宮口が狭く内膜細胞診が出来ない人に対しては経膣超音波検査(膣からの超音波検査)が有効です。

※このようにこれからの子宮がん検診は従来の頸がん検診に加えて体がん検診での内膜細胞診や経膣超音波検査が必要とされています。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 副委員長 和田 裕充)

Q26:卵巣がんは、どのような病気ですか?

A:

 卵巣がんは婦人科がんの中でもっとも予後が不良で死亡者数が多い病気です。
 初期を過ぎると治療が難しく死亡率が高くなります。最近増加傾向にあり注意深く診ていく必要があります。
 卵巣がんの初期は卵巣が少し腫大しても時に痛みを感じることがあるくらいでほとんど無症状のことが多く、そのため初診時でもすでに半数が進行例であり、治るためには定期検診による早期発見以外にありません。婦人科診察(内診)で発見されることもありますが、卵巣腫大の程度が軽い初期や肥満などで詳細に診察できないときには早期発見出来ない場合もあり、より正確に診断するためには経膣超音波検査が必要となってきています。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 副委員長 和田 裕充)

Q27:早期発見のためには、どのようなことに注意したらいいですか?

A:

 半年〜1年に1回は定期的にがん検診を受けることが大切です。
 また自覚症状(異常出血・下腹部のしこり・痛み・おりもの等)があれば早い時期に婦人科受診をしてください。早期に発見すれば軽い手術で済み後遺症も残りません。

※現在医師会人間ドックにおける婦人科がん検診は、頸がん検査(細胞診)と婦人科診察(内診)による卵巣がん検診が行われています。前述のように最近子宮体がんや卵巣がんが増加し、今後更に増加してくるものと予測されますので、現在のままの検診だけでは十分とは言えません。
 今後は人間ドックにおいても経膣超音波検査やまた異常出血経験者に対し、子宮内膜細胞診を行うため「子宮体がんと卵巣がん検診」をオプション検査に加えることを検討し、早期発見に繋がるようドック内容の充実を図っていきたいと思っています。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 副委員長 和田 裕充)

Q28:乳がんの症状は?

A:

 乳がんを発見するきっかけの大部分はしこり(90%)を見つけることです。その他に乳頭異常分泌(とくに血性分泌5%)や乳頭皮膚の湿疹様変化などがあります。何よりしこりを見つけるのが大切です。乳頭異常分泌でも無色透明、白色、黄色、などの分泌は心配ありませんが、茶褐色、赤色、黒色など血液が混じっている場合は、乳がんの可能性が高く要注意です。検診・健康診断で行う視触診はこれらのしこりや乳頭異常分泌などの有無を調べているのです。
 しこりが発見されてもすべてがんというわけではありません。20〜30歳の若い女性では線維腺腫という良性の腫瘤が多く、35歳以上の女性では後で述べる乳腺症によるものが多く見られます。
 しかし触診で良性と思われるものでも精査の結果、がんであったという例もしばしば経験します。また、しこりがあっても痛みが無いから大丈夫と思っている人がいますが、乳がんは痛みが無いのが普通なのです。しこりなど異常を指摘されたなら、必ず精密検査を受けてください。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 浦上 育典)

Q29:乳腺症と言われたが・・・乳がんになりやすいの?

A:

 検診・健康診断の乳房触診で最も多くチェックされて要精検になるのは、乳腺症です(乳腺外来を訪れる乳腺疾患のなかで最も多く全体の30〜50%をしめています。)
 乳腺症の好発年齢は35〜45歳で50歳以上の閉経後に急激に減少します。症状としては、境界のはっきりしない平盤〜円盤状のしこりを触れます。そしてもう一つの特徴的な症状は乳腺痛を伴うことが多いことです。月経前に増強し、月経終了後に軽減することが多いのです。また乳頭分泌をみることもあります。
 乳腺症の症状は、正常乳腺の生理的な変化によく似ています。この生理的変化の強いものが乳腺症の範囲に入ると考えたらよいと思われます。乳腺症と乳がんの関係ですが、結論から言うと、ごくわずかな一部の乳がんは、乳腺症を母地として発生しますが、大部分の乳がんは乳腺症と関係無く発生します。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 浦上 育典)

Q30:検診とマンモグラフィ

A:

 いくら熟練した専門医でも視触診だけですべての乳がんを診断するのは不可能です。大きな乳房では触診の限界もあります。マンモグラフィーは、被爆量の少ないX線を使用した乳房X線診断装置で、これによって乳房全体像がとらえられます。しこりがあれば腫瘤陰影が写し出され、その形から良性、悪性の鑑別が可能になります。また、石灰化陰影より触知不能な早期のがんも発見されることもあります。ただし、若年の乳腺の豊富な女性では、腫瘤が乳腺に隠されてはっきり写らない場合があります。
 姫路市医師会の検診では、40歳以上の人にマンモグラフィーの併用が行われています。そしてそのマンモグラフィーの読影には日本乳癌検診学会の読影試験にて評価を受けた6名の医師によって行われています。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 浦上 育典)

Q31:自己検診について

A:

 乳がん発見につながる症状はしこりに気づくこと、乳頭異常分泌に気づくことです。乳がんは胃がんや肺がんなどの内臓のがんと違い体表面にできるため、自分で触って見つけられるがんです。早期発見のためには自己検診がきわめて大切です。入浴時や就眠時などゆっくり時間がとれるときにするのが良いでしょう。月経前は女性ホルモンの影響で乳腺自体が増殖傾向にあり、全体に腫れているように感じるので、月経の後1週間までにするのが適しています。閉経後の人は、毎月一定の日を決めて調べてください。検診を受けて異常なしと言われて安心するだけでなく、日頃からくり返し自己検診を行い、異常が無いと思われたら、それを検診の診断で確認するというようにしてはどうでしょうか。しこりに気づいたら、いつもの自分の乳房の状態と違うと感じたら、自分勝手に良性、悪性の判断をするのではなく、一人で悩まずに専門医を受診することが大切です。

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 浦上 育典)

Q32:前立腺がんについて教えてください。

A:

欧米では、男性のがん患者の中で前立腺がんが一番多くなっています。日本は、そこまでいきませんが、最近では、男性のがんの中で最も増加率の高いがんとなっています。前立腺の研究は、非常に進んでおり泌尿器科以外の医師でも、前立腺がんの早期発見が出来るようになってきました。

(回答者:姫路市医師会  西村 隆夫)

Q33:前立腺がんの検査には、どのような方法がありますか?

A:

血液検査で簡単に調べられます。血液マーカーとしてPSA(前立腺がん特異抗原)測定が広く普及してきたためです。正常値は 4.0ng/ml以下です。血清PSAが上昇するにつれ前立腺がんの診断頻度は上がり、4.1〜10ng/mlでは、20〜30%、10ng/ml以上では、30〜50%以上に前立腺がんが検出されます。

(回答者:姫路市医師会  西村 隆夫)

Q34:血中PSA(前立腺特異抗原)について詳しく教えてください。

A:

血清PSAが2.0ng/ml未満の人が1〜2年以内に 4.1ng/ml以上に上昇したり、がんを発症したりする確率はきわめて低いことが判っています。そこで血清PSAが 2.1〜4.0の人では、1年ごとの血清PSA値の測定が、2.0ng/ml以下の人では、2年ごとの測定が推奨されます。但し、血清 PSA値が正常範囲であっても、直腸診で前立腺に硬結を触れる場合は、約 15%にがんが発見されるので注意が必要です。従ってPSA値が正常であっても、膀胱刺激症状(頻尿など)、下部尿路閉塞症状(排尿困難など)の強い人は、前立腺肥大か前立腺がんかの鑑別のため泌尿器科受診がすすめられます。 この排尿症状を客観的に評価するため、国際前立腺症状スコア(IPSS)が用いられています。
(回答者:姫路市医師会  西村 隆夫)

Q35:前立腺肥大と前立腺がんは関係がありますか?

A:

前立腺肥大と前立腺がんは全く異なる病気です。前立腺がんは、前立腺肥大と異なり、排尿症状が全くない例が多いことです。前立腺がんの早期発見のために50歳を過ぎたら是非、PSAの検査を受けましょう。当医師会診療所でも人間ドック受診時、オプション検査として、受診が可能です。

(回答者:姫路市医師会  西村 隆夫)

Q36:高血圧とは?

A:

収縮期血圧(いわゆる上の血圧)とは、心臓が収縮した時の、拡張期血圧(いわいる下の血圧)とは心臓が拡張した時の、血管にかかる圧力を測定したものです。この圧が高いという事は、血管に強い圧力がかかっている事を意味します。
  日本高血圧学会の2000年版の基準では
           収縮期血圧(mmHg)  拡張期血圧(mmHg)
   至適血圧     120未満    かつ     80未満
   正常血圧     130未満    かつ     85未満
   正常高値血圧   130〜139   または    85〜89
   軽症高血圧    140〜159   または    90〜99
   中等症高血圧   160〜179  または     100〜109
   重症高血圧    180以上   または     110以上
となっています。 血圧140/90mmHg以上では、有意に心脳血管病の発症が増えるとされ、正常高値血圧でも、すでにその予備群と考えられています(高齢者については降圧目標が高く設定され、収縮期血圧は、六十歳代140未満、七十歳代150未満、八十歳代160未満となっています)。
但し、医療機関の受診時に測る血圧には、緊張状態が加味されている可能性があり、また日内変動を知るためにも、家庭血圧の重要性が言われています。 高血圧の成因は、遺伝因子が関与していると考えられる「本態性高血圧」がほとんどですが、原因疾患(ホルモン異常、血管の 異常、腎疾患など)がある「二次性高血圧」の場合もあり、「二次性高 血圧」の場合には、原因疾患の治療が必要です。

(回答者:ドック委員会 委員  藤戸 和孝)

Q37:高血圧の治療は何故必要なのでしょう?

A:

血圧の上昇が一時的なものであれば、それ程心配はいりません。しかし、血圧が高い状態が持続すると、全身の血管に強い圧力がかかり続ける事になり、血管は硬く、脆く、つまりやすくなる「動脈硬化」の状態となります。臓器および血管障害として
   心臓:心肥大、狭心症・心筋梗塞、心不全
   脳 :脳出血・脳梗塞、一過性脳虚血発作(一時的なめまい、麻痺など)
   腎臓:蛋白尿、腎障害、腎不全
   血管:血栓、大動脈解離、閉塞性動脈疾患(血管の閉塞)
   眼底:高血圧性網膜症(眼底出血など)
さらに、高血圧以外の動脈硬化促進因子として喫煙、高コレステロール血症、糖尿病、加齢(男性60歳以上、女性65歳以上)があり、血縁に心血管の病気をした人がいる場合はさらに危険性は高くなります。

(回答者:ドック委員会 委員  藤戸 和孝)

Q38:高血圧の治療は?

A:

高血圧の発症には、遺伝因子とともに環境因子が大きく関与します。食塩制限、アルコール制限、肥満の是正が必要ですが、ストレスの持続も高血圧症へ移行する因子となります。生活習慣の改善によっても、高血圧状態がつづく場合に、薬の服用が必要となります。降圧剤の種類にも色々有り、効果にも個人差があるので、どの薬が最もあなたに適切かを主治医と相談しながら決めましょう。自宅での血圧測定も重要です。薬は、決められた量を、規則的に服用するのが原則です。自覚症状がないからといって、勝手に薬の服用を中止してしまうと、気付かないうちに動脈硬化が進んでいきます。生活習慣の是正により、薬が不要になる場合もありますが、その合でも、血圧測定は続けましょう。

(回答者:ドック委員会 委員  藤戸 和孝)

Q39:心電図の結果に心房細動と書いてありますがどんな異常ですか?

A:

心房の興奮順序が乱れて収縮していない状態です。動脈から全身に血液を送るポンプである心室は全く不規則なリズムで収縮しています。

基本から理解するために

 正常な心臓では興奮のリズムは洞結節で作られる。それが左右の心房へ伝わり心房が収縮して血液を心室に押し込む。興奮は続いて房室結節(中継点)から右・左脚を通って心室に伝わり心室が収縮して大動脈へ血液を送り出す。これを正常な洞調律(リズム)と呼ぶ。さらに正確に言うと伝わるのは電気的興奮であり、それを引き金として筋肉が収縮しポンプの役割をする(興奮−収縮連関)。
 この電気的興奮を記録するのが心電図、収縮は心音、脈拍、血圧、超音波検査の動きとして捉えられる。心電図には以上の時間経過に従ってP(心房)、PR(中継点の伝導)、QRS(心室)、T(心室興奮が褪めていく波)の波形が描かれる。QRSとTの間をSTといい、Tと共に後の話題「虚血」に関する情報を与える。
 心臓内には興奮を速く伝えるための心筋繊維(刺激伝導系)が木の枝のように張り巡らされており、太い幹に当たる部分ほど伝導速度が速い。異常はP−PR−QRSの各部に発生する可能性がある。心房細動は心房が洞結節の命令に従わず、勝手に不規則な頻回興奮をして細かく震えているが有効な収縮が無い。
 (回答者:姫路市医師会診療所 院長 小西與承)

Q40:どんな症状がありますか?

A:

不規則な脈のため動悸を感じることが普通ですが、全く自覚しない場合も結構多いです。脈を診れば間隔も強さも不規則なことが判ります。障害の程度が強いと心不全のための息切れや手足のむくみ、脳血栓(梗塞)が起こるとしびれ~麻痺、意識喪失が来ます。

基本から理解するために

心房の収縮がないために
1.心房から心室への血流は心室拡張期の内圧低下=吸い込みに依っている。また収縮の間隔が不規則なので、心室が血液を貯め込む時間が短いと心拍は空打ち状態でその脈は小さい。効率が悪いので心不全になりやすい。
2.心房の中に血流の澱む部分で血栓が出来やすく、その固まりが外れて流れていき血管の細くなったところに詰まる。血流の途絶えた組織は死んでしまう(壊死)。
特に発作性心房細動(細動になったり自然に止まったりを繰り返す)でこの危険が大きい。
(回答者:姫路市医師会診療所 院長 小西與承)

Q41:精密検査が必要と言われました。どんな検査が有りますか?

A:

大きく分けて、1.発生状況 2.心房内血栓の有無 3.心不全になる可能性について 調べる必要があります。

1.では
(1)何時から起こったかは治療方針に影響します。既に永く続いている場合は元の洞調律に戻すことは難しい。
(2)起こったり治ったりは24時間記録のホルター心電図で状況を把握するのが肝心です。
(3)さらに専門的になりますが、身体の表面の電位(心電図の詳しい記録)や心房内に電極を入れて興奮の伝わり方(旋回)、乱れ方、その原因を調べる入院検査もあります。
2.では
(1)心臓超音波検査が最も簡便。他にMRIや造影法も利用されます。
3.では
(1)心拍(QRS)数
(2)血圧の変動
(3)むくみや息切れの等の症状を参考にします。
(回答者:姫路市医師会診療所 院長 小西與承)

Q42:どんな治療法がありますか?

A:

1.血栓予防と、2.心房細動をなくす治療、3.細動はそのままで心拍数を調節する 治療があります。

1.血栓は血液凝固能を少し落として予防するのが普通です。少量バッファリン(アスピリン)やワルファリンがあります。ワルファリンは作用が強いかわりに効きすぎると出血の副作用があるので、血液凝固能を時々(1/1〜2週)調べて服薬量を調節する必要があります。
2.以前から心房細動を止める薬(抗不整脈薬)があり、新しく開発もされています。効果のある場合と残念ながら効かない場合があり、後者では興奮の無秩序な旋回を止めるために、1.一時的に止める電気ショック、2.不良個所を切ったり焼いたり
*(アブレ−ション)する治療法が発達しています。特に、肺静脈の入り口に細動を起こす源となる組織があることが分かりました。それをアブレションで除去する治療が成功率が高く最近の進歩です。
3.細動は続いていても、心拍の乱れ方を少なくして心不全の予防・治療するには薬使用が中心です。稀にはリズムの乱れが大きい心房と心室の連絡を絶って、心室は人工ペースメーカーで動かす方法を採用することもあります。なかには全く治療処置は必要なく、経過観察のみでよい例もありますが、やはり判断は循環器専門の先生に任せるべきことを申し添えます。

* 焼くというのは分かりやすいが、アブレーション(ablation)の正しい訳ではない。専門家でも焼くとか焼灼とか間違って使っているくらいであるが、焼灼にはcauteryという英語があり、熱源(火、焼鏝)を当てることである。アブレーション用の電極カテーテルは熱いわけではなく、組織に高周波を流して熱を発生させる。料理する時のガス火と電子レンジの違いを想像すれば理解されやすいか。
(回答者:姫路市医師会診療所 院長 小西與承)

Q43:どうして肥満がおこるのですか?

A:

口から摂る栄養と体の消費するカロリー(基礎代謝+運動量)のバランスが口よりとる量が過剰になると体重が増加、つまり肥満となります。あまった栄養は皮下脂肪や内臓脂肪の形で貯蔵されます。

 (回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員  水野 充)

Q44:食事療法とはどうすることですか?

A:

食事のカロリーを計算しておこなうのが一般的ですが、全カロリーを計算して理解するにあわせて30〜40カロリーをさらにかけると必要なカロリーがわかります。
例とすれば身長160cm の方ですと1.6×1.6×22×30=1690キロカロリーです。このカロリーを摂っていれば痩せません。減量するのであればこれよりも低いカロリーの設定が必要です。体脂肪を1kg減量するのに必要なカロリーは約9000キロカロリーであり1日の減量するカロリーが300キロカロリーとすれば 30日にて減量できることとなります。
(参考までに、うな丼は1杯800から1000キロカロリーです。)
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q45:肥満が治る薬があるのですか?

A:

現在は海外で承認されている薬がありますが、有効なものはありません。食欲を落とすもの(重篤な副作用があり)と食事中のカロリー吸収を低下させるものがありますが、今後の承認がまたれます。
(健康食品で痩せるとの宣伝が多くありますが、疑問があるものが多くあります。)
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q46:肥満細胞というのは、いつ作られるのですか?

A:

生後の2年くらいに作られるようですが、その後は数が増えずに一つ一つの細胞が膨れるようです。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q47:肥満は遺伝するのですか?

A:

肥満自体遺伝しませんが、体質的には似たようになり食生活と生活環境が似るため環境的に遺伝するでしょう。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q48:一度太ってしまうと体質的に太りやすくなるのですか?

A:

幼少期に肥満細胞増加すると太りやすい体になりますが、その後はあまり関係ないでしょう。しかし一旦太ったことがある場合はその食生活と運動とのバランスが問題であるため同様の生活をしているとまた太ってきます。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q49:食べて痩せる方法はあるのですか?

A:

食べるといっても食事の質によるカロリーが異なっており、このため何を食べるかが問題であって食べて痩せるのは可能ですが、充分にカロリー等を計算した上でのことでしょう。

 (回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q50:子宮癌検診とは?

A:

子宮癌には、子宮の出口近くにできる頸癌と奥にできる体癌があります。子宮癌の多くは頸癌ですが、最近は体癌も増加傾向にあります。異常出血がない時の癌検診は頸癌検診のみでもいいと思われますが、異常出血を伴う時は体癌検診も同時に行う必要があります

(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 和田 裕充)

Q51:子宮頸癌検診とは?

A:

食頸癌は子宮出口付近の表面にできます。検診はこの部分を綿棒でこすって細胞を採取し、この細胞の悪性度を判定する細胞診検査を行っています。
結果は1(1)〜5(5)を6段階(クラス)に分けて判定します。
 クラス1:正常
 クラス2:軽い変化はあるが正常(良性)
 クラス3:悪性の疑いがあるが断定できない
    3a:悪性の疑いが軽くある
    3b:悪性の疑いがかなりある
 クラス4:悪性の疑いが非常に高い
 クラス5:ほぼ悪性
1、2は異常なしですが、3、4、5は精密検査が必要です。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 和田 裕充)

Q52:精密検査とは

A:

スクリーニング検査としての細胞診検査は、一つ一つの細胞の変化を検査しましたが、精密検査は子宮口近くの組織(小肉片)を採取し組織全体をみて悪性度を判定します。結果は、正常、異形成(悪性変化)が軽度・中等度・高度、癌と判定されます。3aの場合は、正常、軽度異形成、中等度異形成が多く、高度異形成や癌のことは少ない。3bの場合は、中等度異形成、高度異形成が多く、癌(初期)のこともあります。4の場合は、高度異形成、癌が多い。5の場合は、ほとんどが癌です。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 和田 裕充)

Q53:頸癌への変化と治療は?

A:

一般的には、正常→軽度異形成→中等度異形成→高度異形成→上皮内癌(癌の最も初期の状態)→進行癌へと進行していく傾向にあります。異形成が軽度や中等度の場合は、正常化することもありますが経過観察でいいとも思われますが、高度異形成となると近い将来癌に進行することが多いので手術が必要となります。高度異形成や上皮内癌であるなら頸部の部分切除で済むことが多く、進行癌に対する大手術にくらべて後遺症もほとんどありません。べるといっても食事の質によるカロリーが異なっており、このため何を食べるかが問題であって食べて痩せるのは可能ですが、充分にカロリー等を計算した上でのことでしょう。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 和田 裕充)

Q54:りんご型肥満、洋ナシ型肥満とは?

A:

りんご型肥満(内臓脂肪型肥満)は上半身型肥満ともいい、腹部に脂肪が多くなる肥満です。男性に多くウエスト÷ヒップ=0.8以上となるとこの肥満です。高脂血症や糖尿病、高血圧になりやすい肥満です。洋ナシ型肥満(皮下脂肪型肥満)は下半身肥満ともいい、腰・尻に脂肪が多くなる肥満です。女性・西洋人に多く健康上は問題になりません。実際は、両方の肥満が混在することが多くあります。検査方法は臍部のCT検査にて内臓脂肪面積を測定しますが、手軽にできないため、一般的には男性腹囲85cm以上と女性90cm以上を内臓脂肪の増加と判断しており、最近では超音波検査での臍部内臓脂肪の測定が良いとの報告があります。簡便な機器での測定が今後の課題です。 (医師会にはCTによる内臓脂肪検診があり気になる方に是非おすすめします)
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q55:高齢者の方で食事(エネルギー摂取量)が少ないのに体重が減少せず肥満が目立つ方を見かけますが原因は?

A:

食事のみの減量では筋肉がおちる割合が体重減少の半分であり、その後にリバウンドすることにより体重が元に戻ると体にとってはかえって良くないことがわかります。食事制限などが精神的なストレスとなり減量をしたくなる悪影響が残ることもあります。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q56:減量後にリバウンドして元に戻ることと、肥満のままでいる状態とでは、体に対する影響や体脂肪の変化はないのですか?

A:

1日摂取カロリーを低くして基礎代謝量を低値にすることで減量する方法です。具体的なカロリーは個人によりけりですが800〜1000kcalくらいが目安です。通常の食事では蛋白の必要最低限が確保できないため蛋白(アミノ酸)既製品を摂取しながら入院治療します。減量は1ヶ月で5〜8kgといわれていますが、リバウンドが高率であることや入院のため社会生活に制限があることより積極的にすすめられる方法ではありません。(素人判断ですると危険です)
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q57:超低栄養ダイエット療法(VLCD)とはどんなものですか? 効果はどのくらいあるのですか?

A:

一般的には、正常→軽度異形成→中等度異形成→高度異形成→上皮内癌(癌の最も初期の状態)→進行癌へと進行していく傾向にあります。異形成が軽度や中等度の場合は、正常化することもありますが経過観察でいいとも思われますが、高度異形成となると近い将来癌に進行することが多いので手術が必要となります。高度異形成や上皮内癌であるなら頸部の部分切除で済むことが多く、進行癌に対する大手術にくらべて後遺症もほとんどありません。べるといっても食事の質によるカロリーが異なっており、このため何を食べるかが問題であって食べて痩せるのは可能ですが、充分にカロリー等を計算した上でのことでしょう。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q58:肥満の外科治療がありますか?

A:

胃を小さくすることで胃に停滞する食物量を制限する治療方法があります。胃を除去する方法(胃空腸吻合術)とバンド状のものと胃を縫う方法があり海外でされています。BMIが40%以上の超肥満が対象ですが、効果は劇的でありその他の生活習慣病も改善されるようです。手術の合併症や後遺症が起こることがあり、治療費が高額であることを考えると日本で普及するかは疑問です。(簡単で負担の少ない手術方法が出現するのを期待します)
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 水野 充)

Q59:最近メタボリックシンドロームという言葉を聞きますが、これは何ですか?

A:

 私たちの身体のすみずみに張りめぐっている血管が傷むと、生命の危機や生活の質を著しく低下させる狭心症、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患を引きおこします。軽度の肥満、軽度の糖代謝異常、軽度のコレステロール異常、軽度の高血圧、喫煙など一つ一つの危険因子は、軽度の異常でもこれらの要因が重複すれば上記の動脈硬化性疾患が30倍以上の頻度で発症することが解ってきました。しかもこれらの要因は偶然に重なったのではなく、その根本には共通の病因基盤があり、年齢を重ねるとともに時系的に現れてきます。従ってメタボリックシンドロームとは動脈硬化を引きおこす種々の危険因子が集積し、やがては重篤な脳・心臓血管障害に連鎖する病態をあらわしています。その意義は「一つ一つは軽度の異常でも脳・心臓血管病などの危険な状態を引きおこす危機感を持ち、生活習慣を見直して改め、効果的な予防策をとり、多面的・横断的に危険因子の回避と管理に努めなければならない」という考え方に基づいています
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 寒原 誠一)

Q60:危険因子とはどんなものですか?

A:

 多くの危険因子が提唱され、大規模臨床研究によって検証されてきました。加齢、性別、遺伝的背景などは個人の努力では回避できない要因であるが、生活習慣と密接に関係するものには肥満、糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧、喫煙などがあります。これらの根幹には共通の基盤があり個人の生活習慣の改善や治療によってかなり回避できる因子です。すなわち避けがたい素因のうえに生活習慣の乱れから来る複数の危険因子が積み重なって致命的な脳・心臓血管障害が引きおこされます。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 寒原 誠一)

Q61:メタボリックシンドロームの診断基準はありますか?

A:

 統一された世界共通の診断基準はありません。米国の診断基準、WHOの診断基準なども視野に入れて、日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本内科学会の8学会がメタボリックシンドローム診断基準検討委員会を構成し、日本人の実態に基づいた診断基準をまとめ2005年に発表しました。いずれの診断基準も過栄養と運動不足などの生活習慣から引きおこされる危険因子の大本には内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積と肥満の存在を最重要視しています。
 
この内臓脂肪の蓄積を必須条件とし、これは臍の位置でのウエスト径が男性85cm以上、女性90cm以上を基準とします。この数値は内臓脂肪面積が100cm2以上に相当し、CTスキャンでの確認が勧められています。更に次の3項目のうち2項目以上を満たすときメタボリックシンドロームと診断します。

1 高トリグリセライド血症≧150mg/dlかつ/または低HDLコレステロール
血症<40mg/dl
2 収縮期血圧≧130mmHgかつ/または拡張期血圧≧85mmHg
3 空腹時血糖≧110mg/dl。なお、これら3項目の治療を受けている場合
は満たすものとします。

 
2005年度の日本人の糖尿病(予備軍を含めると)1,620万人、高脂血症3,300万人、高血圧は3,100万人と推計され、成人男性の20%がこのメタボリックシンドロームと診断されます。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 寒原 誠一)

Q62:メタボリックシンドロームをおこさないために、何に気をつければよろしいですか?

A:

 2006年2月4日の読売新聞の夕刊に会社員や公務員に聞いた「健康についての今年の抱負」の何でもランキング(男女約1,500人からの回答)に 1できるだけ歩く 2食事内容に気を使う 3ダイエットする 4もっと睡眠時間を増やす 5スポーツジムに通う 6タバコの量を減らす 7お酒の量を減らす 8新しいスポーツをはじめる 9禁煙する 10禁酒するとありました。これらはまさにメタボリックシンドロームの予防策といえます。体重が減らなくても腹囲が1cmでも減少すればあらゆる危険因子が軽減されることが報告されています。継続して出来ることから始めましょう。
 
40歳を過ぎたら(肥満があれば30歳代から)危険因子について一度チェックしてみましょう。65歳以上の寝たきりの原因の約40%は脳血管障害によるものです。これを避けるためにも、30〜40歳でメタボリックシンドロームの診断基準を満たす人は動脈硬化性疾患のハイリスク者であるという危機意識を持つことが大切です。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 寒原 誠一)

Q63:メタボリックシンドロームの治療法はあるのでしょうか?

A:

 根本に内臓肥満、インスリン抵抗性が発症基盤にあるので、食事と運動などの生活療養が基本です。食事については『腹八分目に医者いらず』を基本とし、運動については「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を原則とします。危険因子の一つ一つは軽くても、二つ三つと重なるにつれてとても危険な病態になってきていることを念頭に置き、多面的・横断的なフォローが重要です。この点は受診者側の捉え方と治療に当たる側に大きな開きがあります。例えば、高血圧の人は塩分制限と血圧の管理だけでなく、体重増加に気をつけ、コレステロール(悪玉コレステロール、善玉コレステロール、中性脂肪など)についてはどうか、食後の高血糖は大丈夫か、また尿蛋白(尿中微量アルブミン)の異常はないか、心電図、胸部レントゲン検査だけではなく、更に頚動脈エコーや脈波伝播速度(PWV)など定期的な検査も望まれます。すなわち一つの危険因子に留まらず総合的・時系的な評価が大切です。
(回答者:姫路市医師会ドック委員会 委員 寒原 誠一)

(注)この記事は、人間ドック契約企業様宛に送信している内容の転載となっております。