環境分析

レジオネラ属菌の検査

レジオネラ属菌とは?

レジオネラ属菌とは、土の中や河川、湖沼など、自然界に生息している、レジオネラ属に属する真正細菌の総称です。自然界では、アメーバ等の原生動物に寄生し、増殖しています。このレジオネラ属菌が人工的な環境(給水・給湯設備、冷却塔水、循環式浴槽、加湿器、水景施設、蓄熱槽等)に、土埃や補給水の形で混入し、衛生的な維持管理をされていない設備の中でレジオネラ属菌は繁殖します。これが、レジオネラ症の原因につながっていきます。

レジオネラ症とは?

レジオネラ症には、急激に重症になって死亡する場合もあるレジオネラ肺炎と、数日で自然に治る一過性のポンティアック熱の2種類があります。
 これらの原因は、レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(目に見えないほど細かい水滴)の吸入、汚染水の吸引、嚥下・経口感染等です。ヒトからヒトへの感染はありません。

基準は?

  • 浴槽水(直接エアロゾルを吸引する恐れのあるものなど)検出されないこと(10CFU/100mL未満)
  • 冷却塔水(直接エアロゾルを吸引する可能性の低い人口環境水など)100CFU/100mL未満

※基準ではありませんが100 CFU/100mlを超えると直ちに清掃・消毒等の対策を講じ、対策実施後は検出菌数が検出限界以下(10CFU/100ml未満)であることを確認することとなっています。

検査の頻度は?

  • 浴槽水については、浴槽水の水質検査を参照ください。
  • その他の水については、下記の危険度判定によって数値化することにより、検査頻度の目安とすることが出来ます。
①対象の設備 給湯水など 1点
浴槽水、シャワー水、水景用水など 2点
冷却塔水、循環式浴槽水など 3点
②環境・吸入危険度 屋外など開放された環境 1点
屋内など閉鎖された環境 2点
エアロゾルが存在し、吸入の危険性が高い環境 3点
③対象者の状態 健常者 1点
喫煙者、呼吸器系に疾患のある人、高齢者、乳幼児など 2点
臓器移植直後の人、免疫不全患者、白血病患者など 3点
5点以下: 常に設備の適切な維持管理を心掛ける。必要に応じてレジオネラ属菌の検査を行う。
6~7点: 常に設備の適切な維持管理を心掛ける。最低でも年に1回以上レジオネラ属菌の
検査を実施する。 設備を休止、停止させた場合は、再稼動時にレジオネラ属菌の
検査を実施する。
8~9点: 常に設備の適切な維持管理を心掛ける。最低でも年に2回以上レジオネラ属菌の
検査を実施する。 設備を休止、停止させた場合は、再稼動時にレジオネラ属菌の
検査を実施する。