環境分析

ビル管理法に基づく水質検査

飲料水の管理

水道法第3条第9項に規定する、給水装置以外の給水に関する設備を設けて、人の飲用、炊事用、浴用その他人の生活用のために水を供給する場合(旅館における浴用を除く。)は、水道法第4条の水質基準に適合する水を供給しなければなりません。

「水道法第3条第9項に規定する給水装置」とは?

需要者に水を供給するため、水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及び、これに直結する給水用具をいいます。
 従って、井水を汲み上げて建築物内にこれらの水を供給する設備はもとより、水道事業者から供給された水をいったん貯水槽に入れて これを供給する場合には、その貯水槽からの設備は、「水道法第3条第9項に規定する給水装置以外の給水に関する設備に当たります。

下表の衛生上必要な措置が定められております。
措置内容 措置回数
給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率を百万分の0.1(結合残留塩素の場合は、百万分の0.4)以上に保持するようにすること。
※供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合、病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合は、給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率を百万分の0.2(結合残留塩素の場合は、百万分の1.5)以上とすること。
検査:7日以内ごとに1回
貯水槽の点検など、有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するため必要な措置 清掃:1年以内ごとに1回
飲料水の水質検査 定期
下表の『飲料水の水質検査について』参照
給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準省令の表の上欄に掲げる事項のうち必要なものについて検査を行うこと。 その都度
飲料水に健康被害のおそれがあることを知った時の給水停止及び関係者への周知 直ちに

飲料水の水質検査について

水道又は専用水道から供給する水のみを水源として飲料水を供給する場合
検査回数 6ヶ月以内に1回 1年以内に1回
実施期間(6月1日~9月30日)
検査項目 一般細菌 シアン化物イオン及び塩化シアン
大腸菌 塩素酸
鉛及びその化合物※ クロロ酢酸
亜硝酸態窒素 クロロホルム
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 ジクロロ酢酸
亜鉛及びその化合物※ ジブロモクロロメタン
鉄及びその化合物※ 臭素酸
銅及びその化合物※ 総トリハロメタン
塩化物イオン トリクロロ酢酸
蒸発残留物※ ブロモジクロロメタン
有機物(全有機炭素(TOC)の量) ブロモホルム
pH値 ホルムアルデヒド
 
臭気  
色度  
濁度  
備考 ・給水栓における水の色、濁り、におい、味その他の状態より供給する水に異常を認めたときは、必要な項目について検査することとなっています。
※の項目は、水質検査の結果、水質基準に適合していた場合は、その次の回の水質検査時に省略可能。
地下水、その他前表に掲げる水以外の水を水源の全部又は一部として飲料水を供給する場合
検査回数 6ヶ月以内ごとに1回 1年以内ごとに1回
実施期間(6月1日~9月30日)
検査項目 一般細菌 シアン化物イオン及び塩化シアン
大腸菌 塩素酸
鉛及びその化合物※ クロロ酢酸
亜硝酸態窒素 クロロホルム
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 ジクロロ酢酸
亜鉛及びその化合物※ ジブロモクロロメタン
鉄及びその化合物※ 臭素酸
銅及びその化合物※ 総トリハロメタン
塩化物イオン トリクロロ酢酸
蒸発残留物※ ブロモジクロロメタン
有機物(全有機炭素(TOC)の量) ブロモホルム
pH値 ホルムアルデヒド
 
臭気  
色度  
濁度  
備考 ・設備の新設等で給水を開始する前には、水道水質基準に関する省令の全項目(51項目)の検査が必要です。
・給水栓における水の色、濁り、におい、味その他の状態より供給する水に以上を認めたときは、必要な項目について検査を実施する。
・周辺の井戸等における水質の変化その他の事情から判断して、水質基準に適合しないおそれがあるときは、必要な項目について検査を実施する。
※の項目は、水質検査の結果、水質基準に適合していた場合は、その次の回の水質検査時に省略可能です。 
※給湯水等について

レジオネラ属菌等による水の汚染に伴う健康影響を防止する観点から、その水が人の飲用、炊事用、 浴用その他人の生活の用に 供する目的で供給される場合には、水道水質基準に適合する水を供給する
こととされており、給湯設備についても貯湯槽の点検、清掃等適切な維持管理を実施することが必要です。
 給湯設備には、局所・瞬間湯沸し式、局所・貯湯式、中央式など様々な構造のものが存在しますが、中央式の給湯設備を設けている場合は、 給湯水の汚染が特に懸念されるため、当該給湯水について、給水栓における水質検査を実施することが必要です。ただし、当該給湯設備の維持管理が適切に行われており、且つ末端の給水栓における当該水の水温が55℃以上に保持されている場合は、水質検査のうち、遊離残留塩素の含有率についての水質検査を省略 しても良いとなっています。

雑用水の管理

雑用水とは?

建築物内の発生した排水の再生水の他、雨水、下水処理水、工業用水等を、便所の洗浄水、水景用水、栽培用水、清掃用水等として用いる水のことです。水洗便所用水への供給水が、手洗いやウォシュレット等に併用される場合は、飲料水としての適用を受けることとなっています。

水道法第3条第9項に規定する給水装置以外の給水に関する設備を設けて、雑用水(散水、修景、清掃、水洗便所の用に供する水)として、雨水、下水処理水等を使用する場合(水道水を用いる場合は、対象外。)は、下表の衛生上必要な措置を行い供給しなければなりません。

雑用水
措置内容 措置回数
給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率を百万分の0.1(結合残留塩素の場合は、百万分の0.4)以上に保持するようにすること。 検査:7日以内ごとに1回
  ※ 供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合、病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合は、給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率を百万分の0.2(結合残留塩素の場合は、百万分の1.5)以上とすること。  
雑用水の水槽の点検など、有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するため必要な措置 随時

散水、修景、清掃用水の維持管理

(ア) し尿を含む水を原水として使用しないこと。
(イ) 次の基準に適合すること。

  • pH値…5.8以上8.6以下
  • 臭気…異常でないこと
  • 外観…ほとんど無色透明であること
  • 大腸菌…検出されないこと
  • 濁度…2度以下

pH値、臭気、外観
検査:7日以内ごとに1回

大腸菌、濁度
検査:2ヶ月以内ごとに1回

水洗便所用水の維持管理

 次の基準に適合すること。

  • pH値…5.8以上8.6以下
  • 臭気…異常でないこと
  • 外観…ほとんど無色透明であること
  • 大腸菌…検出されないこと
pH値、臭気、外観
検査:7日以内ごとに1回
大腸菌
検査:2ヶ月以内ごとに1回
雑用水に健康被害のおそれがあることを知った時の給水停止及び関係者への周知 直ちに